futanaの2018年最後の出会い。
それは、これから先のfutanaにとってとても大きな影響を受けるであろうものでした。
作り手と伝え手。立場は大きく違うけれど、滑らかで力強く流れるようにfutanaに浸透するその考え方行動力はまさに海のような存在です。大きくてゆっくりで、シンプルでいて新鮮で。不思議な安心感を感じるブランドだと思います。
tamaki niime ブランド
2019年1月から、futanaで新しくお取り扱いさせていただく事となりました。
お取り扱いを始めるにあたりお話を聞きに伺ったアトリエは兵庫県西脇市。tamaki niimeのすべてはここで作られます。
アトリエに着くなりスタッフの方が通してくださったみさきごはんは玉木さんの考え方を感じる事の出来るヴィーガン食堂で、小さな店主と二人こちらでゆっくりと昼食をいただきました。スタッフの方だけでなく一般の方も食事ができるその場所は陽が気持ちよく入り緑が沢山で、入れ替わり立ち代わり来られるお客様と楽しそうに話すスタッフの方達。それはまるで大きなファミリーのようでした。初めての場所なのにとても居心地が良くていつまでもいたくなる温かさ。この温かさ、垣根のなさがtamaki niimeの作る物にも反映されていると感じます。
とても丁寧に作られていて、でも少しも背伸びすることなく気兼ねなく使える。どんな色も自分の好きなように身につけられる。使い手の自由気ままに使えるアイテムって、本当に楽しいです。
昼食後案内していただいたtamaki niimeのものづくりの場所。本当に沢山の機械があって、単純にとてもびっくりしました。
力織機・レピア織機・ジャガード織り機・ネームを作る機械・撚りのテンションを替える機械・糸と糸をつなぐ機械・パンチカードを作る機械・吊り編み機・ホールガーメント機・大きな巻の糸から緯糸にする機械・染め窯・洗い場・裁断場・縫製場、まだまだ言い切れないほどの機械がありました。これだけの種類の機械が一つの場所に集まっているところってもしかしたら他にないのではないかしら。今はまだ試運転中という物を含めてしまえば、もうここだけでお洋服が本当に最初の段階から皆さんにお届けする形にまで仕上がってしまうのです。これは実はとてもすごい事です。
衣服は、とても小さい工程だけ見てもデザインをする人・服の設計図をつくる人・生地を裁断するところ・洗濯ネームを作るところ・ブランドネームを作るところ・縫製するところ・ニットなら編むところ・たたんで袋詰めするところと本当に沢山の人・場所を経て私達のところへやってきます。どの部分を自分でし、どの部分を他の人に任せようかというのはブランドによってさまざまですがそれはブランドの個性であり色であり、それを知るのは手にする者の楽しみ方の一つだとfutanaは思います。
勿論全てを知る事が難しい事も沢山あります。けれど、それがどこからきてどのようにして作られたのか。少しでもその流れを聞く事が出来たら、今までとは違った見方で服を楽しめるのではないかしら。そう思います。
作り手が、糸のテンションが強すぎるからと撚りを替えて自分の思う強さに替える。その糸を使ってゆっくりと力織機で織られたストールは、織物のはずなのにニットのように柔らかくそしてなんとも言えない立体感を感じる。
作り手が欲しい色が無いから自分で欲しい色の糸に染める。そうして作られた糸を使って3メートル織るごとに違う糸色に替えて織られたストールは二つとない一枚に出来上がる。
誰かがいろいろな事を考え、楽しみ、向き合って作られたものは手にする者にも何らかの思いをくれる、そう思います。
必ずしも作り手と使い手の感じる思いが一緒ではないかもしれない。けれどそれもまた生み出されたものの冥利。生み出されるものは生み出した者の手を離れ、それを手にし楽しむ者がいて、初めてのものづくりが完結するのだとfutanaは感じています。
futanaでのtamaki niime最初のアイテムはストールたち。作り手tamaki niimeが感じている今を是非伝え手futanaで感じてみてください。