2019.6.17category:アイテムのお話
今年の春からお取り扱いの始まったtamaki niimeさんのショールとお洋服。3月の春夏展でも皆さんにその色彩と織りのバリエーションを楽しんでいただき次の入荷のお問合せも沢山いただいておりましたが、今回期間限定のお色が届きましたのでご紹介させていただきます。
3m織るごとに色糸をかけ替えて織られる作品。tamaki niimeといえば鮮やかな色柄、織りが直ぐに思い浮かぶかと思いますが、今年1月から始まった新たな試み【きぶんシリーズ】では、今までになかったような色展開も見つける事が出来ます。
「季節を通して移り変わる気持ちを作品に落とし込みたい」そんな想いから生まれたきぶんシリーズは、西脇のアトリエでの織りを軸にしながら1カ月毎にその気分によってテーマを決め、「今現在」のtamaki niimeを楽しめる作品に仕上がっています。今回届けていただいた気分は「草木染」。洋服やショールのパターン、大きさはそのままに「ログウッド・あかね・マリーゴールド」の3植で色を作り1枚1枚丁寧に染め上げられています。
草木染によるチャコールは優しい炭色。
ダークな色でありながらどこか軽やかさを感じるのは織りの段階で節糸を使いその周りの密度を変える事で生地自体に動きをつけているからです。
単色ながらやはりtamaki niimeらしさを感じる1枚。ここにも播州織の知識が織り込まれ、西脇の織機を思い出させてくれます。
播州織を取り入れる事で培った知識や機織りの技術で作品を作りながらも、古くからのものだけに留まる事のないその考え、動き方。年代的に古いとされるものの中に新しさを見つけそして活用する。tamaki niimeに老若男女問わずファンが多いのはその姿勢によるものかしらと思いいたります。
時を超えてなお新しい。瀬戸内国際芸術祭を思い出しました。
続くものは、音楽であれイベントであれ、町や都市であれ、古く続く物の中に新しさを見出し、時にマイナーチェンジをしながら世代や性別・歴史の垣根を越えて楽しまれていると思います。futanaは服だけでなくいろいろな場面で「つづくもの」を目の当たりにし、そしてその魅力に惹かれています。
長く続いているものの中に見る新しさ。futanaで見つけていただければ嬉しいです。
futana